今回は、特定の行や列を強調表示(背景色を付けて縞模様など)して見やすくする方法をご紹介します。
はじめに
図1は、1行毎(偶数行毎)に強調表示(黄色の背景色を設定した場合)した例です。


今回は、図1のような縞模様を付けてExcelを見やすくしてみよう。
図1のような、強調表示をしたい場合、2つの方法が考えられます。
- 条件付き書式(数式)を使用する
- テーブルを使用する
条件付き書式を使用すれば、N行(列)毎に強調表示が可能です。ただし、図1のような1行毎の縞模様の強調表示で良い場合は、テーブルを使用する方法がおすすめです。テーブルを使用することで、数式を使用せずに済みます。
1.条件付き書式を使用する場合
条件付き書式を使用して、偶数行毎、奇数行毎、N行毎に強調表示することができます。
- 強調表示したい範囲(図1のような表の場合、A1からC6)を選択します。
- リボンの「ホーム」タブの「スタイル」グループに「条件付き書式」というコマンドがあるのでクリックします。(図2)

- 「新しいルール」をクリックします。(図2)
- 画面が出てくるので、「数式を使用して、書式設定するセルを決定」(図3緑枠)を選択します。

図3青枠の書式ボタンで好みの強調表示を選んでください。今回、条件付き書式で設定する書式は、図3のプレビューような黄色背景色とします。

ここで好きな書式が設定できるから、N行毎にフォントサイズ、色、背景色などいろいろな強調表示ができるようになるよ。
以下、行番号を求める関数であるROW関数を使用します。
ROW関数の書式
ROW([参照])
参照 | 省略可能 | 行番号を調べたいセルを指定します。 範囲を省略した場合は、ROW関数が入力されているセルの行番号が戻り値となります。 範囲にセル範囲を指定することも可能です。 |
ROW関数の詳細は、下記をご覧ください。
偶数行を強調表示
偶数行を強調表示する場合は、「次の式を満たす場合に値を書式設定」の欄(図4赤枠)に下記のように入力します。
=ISEVEN(ROW())

ISEVEN関数は、偶数かどうかを判定するための関数で、偶数であれば「TRUE」が返ります。そのため、ROW関数で取得した行番号が偶数であれば「TRUE」となり、条件付き書式が適用となります。
ISEVEN関数の書式
ISEVEN(数値)
数値 | 必須 | 判定したい値を指定します。数値が偶数のとき「TRUE」、奇数のとき「FALSE」となります。 |
ISEVEN関数、ISODD関数の詳細は、下記をご覧ください。
奇数行を強調表示
奇数行を強調表示する場合は、「次の式を満たす場合に値を書式設定」の欄(図5赤枠)に下記のように入力します。
=ISODD(ROW())

ISODD関数は、奇数かどうかを判定するための関数で、奇数であれば「TRUE」が返ります。そのため、ROW関数で取得した行番号が奇数であれば「TRUE」となり、条件付き書式が適用となります。
ISODD関数の書式
ISODD(数値)
数値 | 必須 | 判定したい値を指定します。数値が奇数のとき「TRUE」、奇数のとき「FALSE」となります。 |
N行毎に強調表示
N行毎に強調表示する場合は、「次の式を満たす場合に値を書式設定」の欄(図6赤枠)に下記のように入力します。
今回は、N=3として考えます。Nを変更したい場合は、下記の数式の「3」の部分を変更してください。
=MOD(ROW(),3)=0

MOD関数は、割り算(除算)の余り(剰余)を求める関数です。ROW関数で取得した行番号を3で割ったときの余りが0のときに強調表示するようにしています。
なお、「=MOD(ROW(),3)=1」のように余りの数字(図6の「0」の部分)を変更することで、式の結果が最終的に「TRUE」となるセルも変わるので、強調表示の位置(強調表示の開始行)をずらすことができます。
MOD関数の書式
MOD(数値, 除数)
数値 | 必須 | 割られる数(被除数)を指定します。 |
除数 | 必須 | 割る数(除数)を指定します。 |
列の強調表示について
列を強調したい場合は、ROW関数の部分をCOLUMN関数に変更します。COLUMN関数は、列番号を取得する関数です。
例えば、偶数列を取得したい場合は、次のようになります。
=ISEVEN(COLUMN())
COLUMN関数の書式
COLUMN([参照])
参照 | 省略可能 | 列番号を調べたいセルを指定します。 範囲を省略した場合は、COLUMN関数が入力されているセルの列番号が戻り値となります。 範囲にセル範囲を指定することも可能です。 |
2.テーブルを使用する場合
1行毎の強調表示であれば、テーブルを使用することが可能です。数式を使用しないため、数式が苦手な方でも簡単に作成することができます。
テーブルについての詳細が必要な方は、下記をご覧ください。
以下では、テーブルの作り方のみ記載しておきます。
- テーブルに変換したい範囲を選択します。
- 「ホーム」タブの「スタイル」グループの「テーブルとして書式設定」をクリックします。(図7)

- 好みのデザインを選択します。(一部、縞模様でないデザインもあります。)
- 図8のような画面が出てくるのでOKを押します。なお、先頭行をテーブルの見出しとして使用したい場合は、「先頭行をテーブルの見出しとして使用する」(図8赤枠)にチェックを入れてください。

- 範囲がテーブルに変換されます。
テーブルスタイルオプション
テーブルのいずれかのセル(範囲)を選択した状態のとき、リボンに「テーブルツール」「デザイン」というタブが表示されます。この「テーブルスタイルのオプション」というグループでテーブルのスタイルを編集できます。


図9の「縞模様(行)」(赤枠)をチェックすると行が縞模様、「縞模様(列)」(青枠)をチェックすると列が縞模様になるよ。
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