今回は、Excelにおいて、行列の積を求めるMMLUT関数と逆行列を求めるMINVERSE関数についてです。
この記事では、配列数式を使用します。
MMULT関数
MMULT関数は、配列に格納されている2つの行列の積を求める関数です。
MMULT関数の書式
MMULT(配列1, 配列2)
配列1 | 必須 | 行列の積を求める1つ目の配列を指定します。 |
配列2 | 必須 | 行列の積を求める2つ目の配列を指定します。 |
MMULT関数の使用例
表2のような例でMMULT関数を使用してみます。
A | B | C | D | E | F | |
1 | 3 | 2 | -1 | 2 | 0 | |
2 | 1 | 0 | 5 | 1 | 4 | |
3 | 2 | 1 |
A1セルからB3セルに入力されている行列\(A\)とD1セルからF2セルに入力されている行列\(B\)の積を求めてみます。
$$ A=\left[ \begin{array}{rrr} 3 & 2 \\ 1& 0\\ 2&1\end{array} \right] ,\quad B=\left[ \begin{array}{rrr} -1 & 2 & 0\\ 5&1 & 4\end{array} \right] $$
=MMULT(A1:B3,D1:F2) (※配列数式)
{=MMULT(A1:B3,D1:F2)}

今回の例の場合、計算後のABは3×3の行列になるから、Excelでは3行3列の範囲を選択して、「Ctrl」+「Shift」+「Enter」で数式を確定させよう。(一部のExcelバージョンを除きます。)
結果は、下記のようになります。
$$ AB=\left[ \begin{array}{rrr} 7 & 8 & 8 \\ -1&2&0\\ 3& 5& 4\end{array} \right]$$
MINVERSE関数
MINVERSE関数は、配列に格納されている行列の逆行列を求める関数です。
MINVERSE関数の書式
MINVERSE(配列)
配列 | 必須 | 配列を指定します。配列に格納されている行列は正方行列である必要があります。 |
\(n\times n\)の行列を\(n\)次の正方行列
- 逆行列がない場合は、エラー値「#NUM!」となります。
MINVERSE関数の使用例
表4のような例でMINVERSE関数を使用してみます。
A | B | C | |
1 | 2 | 5 | 0 |
2 | 3 | 3 | 8 |
3 | 1 | 2 | 1 |
A1からC3セルの範囲に入力されている行列\(A\)の逆行列\(A^{-1}\)を求めてみます。
$$ A=\left[ \begin{array}{ccc} 2 & 5 & 0\\ 3 & 3 & 8\\ 1 & 2 & 1\end{array} \right]$$
=MINVERS(A1:C3) (※配列数式)
{=MINVERS(A1:C3)}
結果は、下記のようになります。
$$ A^{-1}=\left[ \begin{array}{rrr} 13 & 5 & -40\\ -5 & -2 & 16\\ -3& -1 & 9\end{array} \right]$$
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